昭和33年(1958年)行事の準備と物忌
【和歌森 太郎編 くにさき −西日本民俗・文化における地位−第3章 修正鬼会 半田康夫】抜粋
行事の準備を寺方では「前行」と称する。前行はまず、カラスツイタチ(旧12月1日)から始まる。
この日、大字岩戸寺の部落民の中から選ばれてオニヨ(鬼会)に奉仕する下記の人々が寺に集合する。
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(1)タイイレ 14名 |
岩戸寺区は作道・上園・祓・中村・山口・向鍛冶・日平の7組に分れており、各組から1挺ずつ、鬼会当日に燃やすオオダイ(大松明)を献納することになっているが、各組を代表してオオダイを献納し、且つそれをカタゲルもの2名をタイイレ(松明入れ)もしくはタイヌシ(松明主)とよぶ。
タイイレシ(衆)の一部は、後刻鬼が出場するようになると、そのカイシャク(介錯・鬼の付添役)を勤める。むかしは各組内でタイイレを出す家がきまっていたそうであるが、今では1番ダイを出す作道組の郷司家と桜井家が「株」を保有しているだけで、他の組では、その家が断絶したり、株を放棄する家があったりして、家順に交代でタイイレを出している。 |
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(2)給仕人 2名 |
鬼会当日の「盃の儀」の時に、裃・袴を着用して、僧侶やタイイレシ等に給仕する役である。区内から適当な人を選出する。 |
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(3)ハヤシカタ |
太鼓・笛・ドビヨウシ(鉦)各1名。これも区内から適宜選出する。 |
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(4)トシノカンジョウ 1名 |
「年男」「年行事」「堂役」などともよばれ、タイイレシや給仕人・ハヤシカタ等を指揮監督し、村方の経費の勘定について責任を負う。とくに阿闍梨ダイを所持することを許されて、院主や役僧の先導をつとめる。組長の中から選ばれることになっており、岩戸寺区内を上・下に2分し、交互に出る。
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平成21年(2009年)行事の様子
人手の不足からか、今年のタイイレは8名となっている。
オオダイの本数も昭和33年当時7本だったのが4本に成っている。
給仕人や囃子方(ハヤシカタ)は昭和33年当時の人数そのままである。
ただ、人選の仕組み等は確認していない。
給仕人は、高校生か?童顔の可愛い少年だった。
それぞれの役割は、左記に同じ。
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タイイレと給仕人(2009年1月岩戸寺)
昭和33年には14名だったタイイレは、
平成21年は8名。 |
今は、会社や役所勤めなど農業以外で生活する為、昔のような事は出来ない。寺にこもって毎日垢離をとる事や厳しく慎しむ事は遠い昔の事となった様だ。 |
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